メンテナンス編
ログハウスは、たとえマシンカットであっても日頃のメンテナンスは欠かせません。
ここでは、実際に行ったメンテナンスについて紹介いたします。
大事なログハウスと長く付き合っていくためには絶対必要なことです。

其の一 建具の調整1
其の二 建具の調整2

其の一 建具の調整1

ログハウスでは、木の収縮に伴うセトリングが発生します。
そこで、建具の取付けには工夫がなされているのですが、
それでも往々にして建具の立て付けが悪くなることが良く起こります。
今回は、寝室の窓の立て付けが悪くなったので調整しました。

セトリング対策として窓枠は、T字型の建具取付枠をログ壁の
凹部にかみ合わせ、スライドできるようにした上で、
その取付け枠に固定されています。しかしながら、
セトリングに伴い左右のスライドに何らかの差が生じ
このように、左よりも右が下がってしまいました。
そのため、右側の窓が窓枠の下部に当たってしまっています。
建具額縁を一度取り外した後、
下がっている右側のT字枠の下にバールを差込
こじることにより持ち上げて窓枠の調整をします。
建具のチリが均等となるように調整します。
その結果、窓枠下部が水平となり
左右どちらの窓もスムーズに開閉するようになりました。
T字枠が下がらないように、
バールの代わりにくさびをさします。
再度、建具のチリを確認した後くさびの余分を切断します。
余分を切断したくさびを差込ます。
窓枠が右側で持ち上がった分、窓枠下部に
ログ壁との隙間が生じる可能性があります。
確認して、必要なら断熱材を充填します。
最後に、取り外した建具額縁を元に戻し手作業終了です。

其のニ 建具の調整2

今回も建具の建て付けが悪くなったので、調整を行いました。
調整個所は、基礎内の自作ドアです。残部材の無垢材を利用してあるため
最近の梅雨の湿気のためかなりドアの大きさが変化したようです。
このように木は湿気で膨らんだり、縮んだりするのです。
やはり生きている木をふんだんに使用しているログハウスはメンテナンスが不可欠です。

基礎内部は全て自分での追加工のため
キットには専用の部材があるわけではありません。
そこで、余った部材を利用して建具も自作しています。
このドアは、フレームに建具額縁材・羽目板に天井材を
利用しています。もちろん全て無垢材です。
このドアは空気が乾燥している冬期に作成したので、
最近の湿気のため無垢材が膨らんでドアの下部が、
床と接触するようになりました。
少し前には、ドアの幅が広がったために
建具枠と接触するようになったので対策した直後です。
今回は対策として、ドアの下部を丸のこでカットします。
丸ノコのガイドをクランプで固定して、直線に切りやすくします。
私の丸ノコは、ベースプレート左端から、ノコ歯の左側までの距離が
丁度100mmですので、切りたい幅+100mmの位置に印をつけます。
その印の位置にガイドをクランプします。あとはクランプされたガイドに
丸ノコのベースをスライドさせながら切断していけばOKです。
切断後に、角をカンナで面取りした後、サンダーで仕上げました。
角の仕上げには、トリマを使っても良いでしょう。
ドアを元通りに設置しました。
ドア下部の隙間が確保されました。
ドアの各部のチリ(隙間)は、木の収縮により変化しますが、
湿気の多い時期にあまり広くしすぎると、
乾燥時期に隙間が空きすぎることも考えられますので、
その量を適切に設けることは結構難しいと思われます。
こちらのドアは、ドアの幅が広がって建具枠に収まらなくなりました。
ドア取り付け時に、建具枠側の蝶番を埋め込み処理していなかったので、
蝶番側の隙間が大きくなっていました。そこで、今回その隙間を
狭めることにしました。一度蝶番をはずして座彫りをします。
座彫りをした後の写真です。
ココでは既にドアを元通り組みつけてあります。
この蝶番は、90度になった時のみ真中の棒が抜けます。
前の写真が真中の棒を抜いてドアをはずした所です。
ドア組み付け後の蝶番部分の写真です。
加工前は、5mm近く隙間が空いていましたが、
それが2mm程度になりました。
反対側(ドアノブ側)の隙間が全く無かったのに対し、
隙間が2から3mm程度になりました。
ちょっと隙間が空きすぎてしまったかもしれません。
乾燥時にはもっと隙間が空いてしまうかもしれません。
その場合には、建具枠側の蝶番と建具枠の間に
スペーサーをはさんで調整するつもりです。

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